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第8話 楓先生を追い詰めるもの

last update Date de publication: 2026-05-02 07:05:34

「それにしても、不思議な気分ね。こよりさんとこうしてまた、同じ学校に通えるなんて。でも、こよりさんは本当に変わらないわ。私だけおばあちゃんになったみたい」

「私もちゃんと年を取っていますよ」

 そう言って如才なく微笑む私。こういう処世術は、10年前は知らなかった。むしろ、少し嫌悪していたくらいだ。

 まあ、浮かれていないといえば嘘になるけれど。

「楓先生、お疲れでしょう。お茶を淹れますね。一緒にお茶しましょう」

「井伊サン、それは俺がやる。井伊サンも飲むんだろ? だったら俺に淹れさせてくれ」

 龍慈君が割り込むようにポットの前に立つ。

 学園カースト最上位の彼が手際よくお茶を淹れる様子を見ていると、何だか不思議な気分になる。

(あのちょっとヤンチャなところもあった弟君が、立派になったものだわ)

 私が感心しながら後ろ姿を見ていると、龍慈君がぶっきらぼうに言った。

「姉貴にしごかれたからさ。井伊サンのそばにいるなら、これくらいできて当然だって。

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